9月25日 SEALD’S KANSAI @ 梅田ヨドバシ前 行動でのスピーチ

9月25日、梅田ヨドバシ前に4500人の人が集まり、19日に「採決」されたーー声明でお知らせしたように、京都96条の会は、この「採決」には重大な瑕疵があり、採決と認められないと考えています--安全保障関連法に対する抗議の声をあげました。岡野もそこで、以下のようなスピーチをしてきました。

IMG_0395みなさんこんにちは、同志社大学教員、安保関連法に反対する学者の会呼びかけ人、そして京都では、京都96条の会を主催しています、岡野八代と申します。

9月19日午前2時過ぎ、現行憲法の下で決して許されない暴挙が行われました。

9月19日わたしは東京にいながら、仕事のこともあり国会前のデモには参加せず、テレビ中継で参議院での異常な採決を見ていました。戦争法成立に関する審議手続きには見過ごせない多くの問題があり、じっさいのところ、とても採決されたとは認められません。

9月19日の異常事態は国会を舞台にしたクーデタとして、わたしたちの記憶に、そして世界の歴史に残り続けるでしょう。

ヨドバシ前19日まで、わたしを、そしてわたしの仲間を突き動かしていたのは、怒りに他なりません。憲法違反をものともしないことはいうまでもなく、民意を無視し、長きにわたり曲がりなりにも築いていた平和主義という日本のブランドを捨て去り、自分こそが国を動かすというかのような傲慢な自公の政治家を、わたしは決して許しません。

憲政会館19日の朝、早朝までに続いたデモが終わったあと、わたしは、デモに参加しなかった後ろめたさも抱えながら、国会前に向かいました。そのさい、憲法の歴史を展示した憲政会館も見物してきました。その後、太陽の下で国会を見上げながら、わたしはそこで、むしろ清々しい気持ちに襲われました。

今後のわたしたちの運動、とくに研究者と学問を志す学生のみなさん、そして市民の皆さんが、なにをするべきなのかに関係して、なぜいま、わたしはむしろ清々しい気持ちでいるのか、お話させてください。

国会前思い出してみてください。そもそも、2012年12月の総選挙のあと首相となった安倍晋三は、憲法改正手続きを定めた96条の先行改憲を主張し始めました。しかし、それに対しては、多くの法学者、政治学者から「裏口入学」、「クーデタ」と批判がなされました。すると、今度は閣議決定によって、これまでの政府見解を否定し、他国防衛に他ならない集団的自衛権を、中国や北朝鮮の脅威を強調しながら正当化するという、支離滅裂な議論を展開し始めました。

支離滅裂な議論によって、戦争法を安倍政権は通してしまったわけですが、かれらは憲法を改正したわけではありません。そうです、平和主義、人民主権、そして基本的人権を三大原理とする日本国憲法はまだわたしたちの手に残されているのです。

日本が国家として成立しているのは、現行憲法のもとにです。国際社会で一国として認められているのも、この憲法があるからです。国民の要件は、憲法の下で国籍法により決めると、やはり憲法によって、定められています。もちろん、基本的人権を原理とする日本国憲法は、関西にも多く居住している外国人の権利も保障しています。

国会が最高機関であることも、国会に市民の代表として送り出される議員とわたしたち市民の関係は信託であるということも、憲法によって決められています。

ここで、憲法の前文をゆっくり読みたいと思います。これは、今からわたしたち市民が、何度もなんども、自公の政治家に突きつけないといけない文章です。

佐々木惣一 「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する」。(憲法前文)

そうです、憲法によれば、「憲法に反するいっさいの法令は、排除する」!なのです。

驚くことに、自公の政治家は、誰一人、99条に定められた国会議員の憲法擁護遵守義務を守りませんでした。かれらは、自分たちの良心、国民の代表である政治的責任において、違憲法案に反対しませんでした。

憲法の三大原理に真っ向から違反する戦争法は、憲法によって排除されるべきなのです。そして、排除されるべき法案に賛成した政治家も、排除されるべき法とともに、現行憲法の下ではもはや、国会議員として存在してはなりません。

わたしたちの手に残された憲法の下で、厳粛な信託を裏切った政治家が垂れ流す、妄言や嘘に対して、わたしたちがしっかりと批判していく力が、今ほど必要とされていることはないでしょう。

残念ながら日本では、政治や憲法について、大学の専門教育で初めて学ぶ教育制度になっています。そのことが、民主主義を決断主義や白紙委任のように勘違いする首相や、これは実際に京都選出の自民党議員ですが、国民主権がおかしいという政治家や、天賦人権説を否定する議員を、育ててしまったのかもしれません。

政治思想を研究する市民として、民主主義とはなにか、立憲主義とはなにかについて、皆さんとともに、さらに学んでいきたいと思っています。たとえば、国会審議中、本当にひどい報道をし続けた公共放送であるNHKについて考えるために、公共とは決して国家とイコールではない、むしろ政府を批判する市民から公共性がたちあがってきたという歴史を振り返ってみたい。また、国連憲章の原理である、武力行使の禁止と日本国憲法の関係、あるいは、多くの政治家は「自然権」ということを強調して、国連憲章で集団的自衛権は認められているといいますが、アメリカが強行に国連憲章に挿入した集団的自衛権の歴史など、学生そして市民のみなさんとしっかり学んでいきたいと思います。

そしていま、できることは、憲法にあるように、憲法の原理に反する戦争法を排除するために、次回の参院選では、違憲法案に賛成した議員は、国会から退場してもらうことです。排除されるべき違憲法案に賛成した、次回参院選の改選議員については、すでにツイッターなどでたくさん情報がまわっています。明日にでも、まず自分の選挙区の議員事務所に、「われらは、憲法に反するいっさいの法を排除する」と憲法前文を引用しながら、みなさんの意見を書いて、国会から退場してくださいと、ファクスなりメールなりを送りましょう。そして、近しい友達の一人でもいい、この問題について話し合う努力をしましょう。

いま、ちょうどこちらに来るときに、ルクアの前にあるテレビで、国会閉会にさいする首相会見をNHKが放送していました。そこには、「戦争法案というレッテル張りは、無責任」というテロップがずっと映されていました。しかし、戦争法案がとおるやいなや、武器の輸出をさっそく奨励し始めたことにも明らかなように、戦争するための法案であることを隠すことのほうが、無責任であるどころか、犯罪的ではないですか。

まずは、参議院選挙まで、アベノミクスや「一億総活躍社会」、GDP600兆円などといった、出鱈目の言葉にごまかされず、じっくりと、民主主義の本質に戻って、今後は違憲議員を一掃する運動を続けていきましょう。